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| カスバ街道をゆく!その1 カスバとは、城壁で囲まれた要塞のこと。 カスバ街道とは、そんなカスバが点在するモロッコの南を東西に走るルートだ。 途中にはメインとなる町がいくつかあって、渓谷美やら何やら楽しめる。砂漠をあとにした私たちは、このカスバ街道を西へ向かった。 最終的には、再びアトラスを越えて、北へ戻りマラケシュへ行くルートで、モロッコの南を旅する人にはメジャーなルートでもある。 ■グランタクシーでゆく! カスバ街道を旅する手段は車に限られる。電車や飛行機はない。 バス、もしくはグランタクシー。 結局、いつもグランタクシーを使っていたのだが、これがまた非常に難儀な乗り物であった。 いわゆる相乗りタクシーで、その基本定員は6人。もちろん運転手は含まない。 まあ、とにかく苦労しながら、時に窮屈に、時に優雅に、カスバ街道を旅したのである。
■ティネリールの悲劇 砂漠を去った私たちが、カスバ街道に入り、まず目指したのは150kmほど離れた町。ティネリール。 カスバ街道は一本道。町と町との間は何もない荒涼とした大地が続く。 とにかく乾燥していて、喉が痛かった。そしてどこまでも続く茶色い不毛の地がなんだかもの悲しい気分にさせた。 1時間半後、ティネリールに到着した瞬間、一面の緑に目が釘付けになった。町中に緑があふれているのだ。 そう、ここはオアシスの町。 いままでカラカラの大地を見続けていた私には、ニセモノの絵みたいに緑がまぶしかった。 人間はやっぱり水があるところで生きていけるんだなあとを妙に納得してしまった。 フェズから砂漠まで一気に駆け抜けてきた私たちにとって、この日は久々にゆっくりできる日だった。それで、 今日はゆったり豪勢に食事しよう!と、妙に意気込んで夕飯に出かけたのだ。そんな私たちを悲劇はあっさりと襲った。 ビールがない・・・。 こんなカラカラの大地では喉は渇きまくっている。昨日だって飲みたかったけど、あれよあれよと砂漠行きが決まってしまい、機会がなかった。 今日は飲むぞ!といつも以上にかなり気合をいれていたのだ。 しかしそう、ここはイスラム圏。基本的にお酒を飲む習慣がない。それでも都会のレストランでは置いてあるところも多いが、こんな砂漠の田舎町では、レストランにもあまり置いていないのだ。うぅ。 その夜は、かなりしょぼくれつつ、コーラとスプライトでごまかしたのだった。
■トドラ渓谷でのいろんな出会い 次の日はティネリールから15km離れたトドラ渓谷へプチトリップ。グランタクシーで20分ほど。 実はここ、行ってわかったのだがかなりメジャー観光地で、 欧米人がツアーバスで押し寄せていた。 そんな中で、なぜか日本人2人組発見! まず一人は、ジュラバと言われるこちらの衣装(ねずみ男みたいなやつ)を着ていて、そのデザインも色もちょっとヘンで、明らかに地元の人と一線を画している。もう一人はサッカーのユニフォームみたいなTシャツにジーンズ。まあ、普通といえば普通。
話しかけるような雰囲気ではないなと思っていたら、彼らも私たちに話しかけることなく、休んでいる私たちの前を通りすぎていった。次の瞬間、サッカー青年がねずみ男にこう言った。 1.友達と思っていた二人が実は他人だった(おそらく今知り合ったばかり) しかも、その穴は地面から 5メートルくらいのところにあって、結局岩をうまうことつたっていけず、穴までたどり着けず! 気を取り直して歩きはじめるとロッククライマーの姿が。
ここはロッククライマーにも人気の場所で、実際ヨーロッパなどからクライマーたちが集まってくるらしい。なんと命知らずな。
そんなロッククライマーの勇姿に見惚れていると、ベルベル人とニュージーランド人の女性カップルがいた。 帰りは15kmの道のりをお散歩がてらテクテク歩いて帰った。 途中には小さな村がたくさんあって、子供たちが端から声をかけてくる。 変な日本語じゃなくて、「ボンジュール」。フランス語がわからないので、挨拶くらいしかできないのが悲しい。このあたりの人たちは、別にお金ちょーだいとか下心がなくて、単純に話しかけたいらしく、屈託なく話しかけてきてくれるので、すごくかわいい。 ベランダから声をかけて、隠れてみる男の子もいたし、屋根の上から 声をかけてくれるおっちゃんまで、とにかくみんなフレンドリー。ティネリールの町もそうだったし、とにかく子供たちは素朴で愛らしいのだ。 でも、青年以上かつ日本語や英語を流暢に使うような人は要注意。 途中、変な男にオアシスのほうの道を勝手にガイドされたあげくお金を取られそうになった。(モロッコではよくいるニセガイド)ブチギレたら退散したけど。 みなさん、トドラ渓谷あたりで「さかな」という日本語をしゃべる男には注意してね。 そんなこんなで3時間半ほどでティネリールへ到着。 疲れたけど、ゆったり楽しい一日だった。・・・・・・・なんて思っていたら、さっきのさかな男が、「はーい!」と道の向こうから声をかけてくるではないか。思わずキッと睨み返したが、相変わらず「やあ」って感じに笑顔で手を振っている。 こういうふうに悪びれないのが、モロッコ人のいいところなのか、図太いところなのか。 これはさかな男に限った話ではない。 モロッコ人同士でも口争いも何度も見たけど、一通り済めば、何事もなかったように仲良くしているのである。切り替えがものすごく早いのだ。 いやはや、まったく、 まだまだモロッコ人の本質を知るのは難しいみたいなのである。
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